下っ腹を鍛える(動画)

俗に言う「割れた腹筋」とか「シックスパック」を形作るのは、腹直筋という筋肉です。

腹直筋は「第5~第7番肋骨の軟骨と剣状突起に起始し、骨盤の恥骨稜と恥骨結合部に停止」します。

平たく言えば、12本ある肋骨の真ん中あたりに起こって恥骨まで繋がる、たいへん長い筋肉です。

そして、腹直筋の働きは

・脊柱の屈曲(いわゆる腹筋運動の動き)

・骨盤の後傾(下背部を丸めて腰を突き出すような動き)

・呼気に働き腹部の緊張を維持(シャドー・ボクシングの時のように、息を吐いて腹を固める)


この3点です。

つまり、腹筋を鍛えるトレーニング種目は

1)筋肉の長さを考えて、できるだけ引き伸ばし、できるだけ短く縮めようとしなければならない

2)一般的な腹筋運動のように単に上半身を起こすのでなく、腰を突き出すような動作も含まれなければならない

3)動作の終点において、鋭く息を吐いて腹を固める動作が入らなければならない


この3要件が考慮される必要がある、ということになります。

本稿では、特に難しい「下っ腹」まできっちり鍛えられる種目を紹介します。

レッグエレベーテッド・スイスボールクランチ

・スイスボール(青いボール)に乗って行うことで、腹直筋を最大限にストレッチする。

・首のストレスを軽減するため、頭の後ろに手を組んで頭の重さを支えておく。

・視線は天井に据えておく(首を引いてストレスをかけるのを避ける)。

・テンポは動画の通りで、トップポジションで停止しつつ息を鋭く吐く(呼気による体幹固定作用を促す)。

・胸が持ち上がっていくのと同時に、腰も持ち上げていく(骨盤後傾作用を促す)ようにする。

・大腿直筋の股関節屈曲作用を制限するために膝を曲げて足を台に乗せて行うが、初心者は床に足をつき、安定した状態から動作を学習する。

・自宅で試す際は周囲の安全を確保の上、転倒に注意して練習してください。

ガーハマー・レイズ

・腹直筋の下部線維を強烈に収縮させ、骨盤の後傾を促す(動画の、下背部の丸まりに注目)。

・スタートポジションで股関節と膝関節を90度に固定、内股気味につま先同士をくっつけ、膝は開いておく

・上記の姿勢を保ったまま、腹筋の力で腰から下を巻くように持ち上げる。

・フィニッシュでは息を鋭く吐き、緊張を維持したまま息を吸いつつスタートポジションに戻す。

まとめ

今回、動画を撮りながら何度も腹がつりました。

よく「エラそうに教えるだけでなくお前もやれ」とおっしゃる会員の方々の気持ちが改めてわかりました。

しかし、こんなキツい種目を当たり前にこなすヨンデー会員の方々には改めて感服します。