或阿呆の日記

某月某日

先日、ようやく初詣を済ませた。

深夜、仕事を終えた足で神社に行き拝殿で手を合わせる。

何かを決心するなら、正月ボケした時期より新年度のはじまる今のほうがいいに決まっているのだ。

今年度は「ものを習う年」にしようと決めている。

経営とカネ、そして生の哲学。

独学で修めることの難しいものは、ちゃんとした先生について教わらないとどうにもならない。

こんな当たり前の考えに思い当たったのは、40代の男性会員との指導中の雑談がきっかけだった。

彼はこの1年ほど、ウェイトトレーニングの練習のためヨンデーに来る。

(じつに会員の半数はダイエット以外ースポーツの補強や体力づくりーの目的をお持ちなのだ)

ボディビルの細かいテクニックをレクチャーすると、それを”テイクアウト”して自宅のバーベルで練習する。

そんな日々の積み重ねによって、彼の上半身の発達ぶりは見違えるほどになった。

とみに肩から腕にかけての威圧感は相当なものだ。

さて、そんな彼がふと「最近、背中の鍛え方が分かってきた」と言ったのを聞いて、はっとなった。

情けないことに、私が背中の鍛え方に気付くまでは10年もの時間を要したのだ。

運動生理学も機能解剖学も薄い知識のまま闇雲に鍛えていたのだから、当たり前といえば当たり前である。

対して彼は、私の過ごしたムダな時間をすっ飛ばして、一気に成果へと向かっている。

人に教わることの値打ちは、まさにこういうところにある。

トレーニングがそうであるように、経営もカネも哲学も、何となくやっている間に正解に辿り着くことはない。

たんなる暇つぶしなら良いが、それがもし意志的に成果を求めての行為であるなら、その非効率は悲劇的でさえある。

さて、今年の賽銭は例年より少しばかり張ってみた。

良い先生との巡り会いがもたらされることを期待せずにはいられない。

某月某日

「コロナはカゼなんて大ウソだった、本当に辛い」

コロナに感染した知人の言葉だ。

彼女は職場で感染して入院し、退院後1ヶ月以上経った今でも自宅療養を余儀なくされている。

何日も続く高熱と水も通らぬほどの喉の痛み、一睡もできないほど激しい咳には、若い彼女さえ命の危険を感じたという。

そんな状況を脱した後には、5割という確率で長い後遺症(LongCovid)が待つという。

ヨンデーはこんな時代状況のさなか、世界一安全なジムを標榜してスタートした。

そのため、換気を徹底するがゆえの寒さやリスク管理のための利用制限、鬱陶しいマスクの正しい着用など、気楽な運動を楽しみたい人にとっては容認しがたい要素が多々ある。

それでもヨンデーを選び、通い続けて下さる会員の方々には頭が下がるばかりだ。

遊戯としての運動提供は他のパーソナルジムやフィットネスクラブにお譲りすればよい。

ヨンデーの使命はその人にとって必要不可欠な運動を、徹底的に安全な環境で教授することである旨、改めて銘記しておきたい。