店を持つということ
ジムの通り向かいに小さなイタリアンレストランがあります。
夜、窓を開け放してトレーニングをしていると、オリーブオイルとガーリックの香ばしい匂いがふうわりと漂ってきます。
昼も夜も客足が絶えないこのお店は、若いご夫婦が切り盛りされているようです。
彼らもこの店を持ち、ここまで育てるまでにはいろんなものを乗り越えてきたんだろうなあと勝手にシンパシーを感じています。
店を持つことの夢と現実
いつかは自分の店を持ちたい。
そんな夢を見ている人は多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。
ところが店を構えるぞと具体的に動き始めた瞬間から、それまでの甘美な夢は消え失せ、荒れた海に投げ込まれるような状況へと舞台が遷移します。
考えること、やらなければいけないこと、決めることが多すぎて頭が回らなくなるのです。
開業準備に追われた11月と12月の記憶はほとんどありません。
勤勉という土台
けれども、私ごときが忙しいなどと口にする資格はありません。
同じテナントを見渡しても、お隣の弁護士さんは朝から晩まで飛び回っておられる。
階下の歯医者さんはいつ休むのだろうと思うほど仕事をしておられる。
建築資材会社の明かりはいつも深夜まで灯っている。
そうした勤勉さの土台があって、ようやく経営というのが成り立つのだというリアルが私にもようやく分かりかけてきました。
好き好んで荒れた海に飛び込んだ以上、私も勤勉に、かつ、したたかに泳ぎきっていくしかありません。