トレーニング・シューズの選び方
これは重量挙用の靴です。
靴底には薄いゴムが貼られ、踵は木もしくは硬質ゴムで硬く高く作られている。
クッション性やグリップ性が排除または制限され、安定性だけを追求した特殊な作りになっているのです。
なぜかというと、重量挙種目は動揺を嫌うからです。

重量挙は、高重量のバーベルを頭上に保持する、高度にバランスを要求する競技です。
下手にクッション性が働いて足元が動揺しようものなら、押さえられるはずの重さも押さえられない。
そのため足裏は地面にしっかり固定されなければならないのです。
その一方で過度のグリップ性が排除されているのは、サイドステップやスプリットの動作を妨げないためです。
バーベルを持って跳び上がり、足を左右または前後に開こうとするとき、爪先寄りの靴底が床に引っかかろうものなら膝など一瞬で潰れてしまう。
また踵は足首の背屈角を補って深くしゃがめるよう高く作られています。
このように、重量挙の靴はレーシング・カーのように、遊びが一切なく、重量挙という特別な状況下でのみ高い能力を発揮するように作られているのです。
一般的なトレーニングにおいてはゴツゴツとした履き心地の、使いにくい靴です。
ウォーキング・シューズの弱点
また別な意味でトレーニングに使いにくいのが安いウォーキング・シューズです。
柔らかすぎる靴底が、足裏の固有受容器(皮膚や筋肉、腱にあるセンサー)に過剰な情報をもたらすからです。

床の硬さとかバーベルを担いだときの圧力感、マシンのフット・プレートの形状など、重要な情報もそうでない情報も片っ端から収集して中枢神経に送ってくる。
結果、膨大な情報を処理するストレスからの疲れや、要らぬ情報の解釈からくるオーバー・シンキング(考えすぎて運動を下手にする)に陥りやすいのです。
その反対にクッション性を追求した高性能なランニング・シューズも、必要な情報までぼかして伝えてしまうので、やはり使い良くはない。
硬すぎても柔らかすぎても使いにくいのが、トレーニング用の靴なのです。
おすすめのトレーニング・シューズは
トレーニング用の靴は、高重量のバーベル種目からランニング、ジャンプやスタビライゼーション(バランス)種目までソツなく対応できるものが理想です。
となると、
・適度な安定性(靴底がフラットで、適度な硬さを持ったもの)
・適度なクッション性(足裏の固有受容器に余計な情報を与えすぎないもの、かつ、走ったり跳んだりする際の衝撃を吸収できること)
をバランスよく兼ね備えたものがトレーニング・シューズとして理想的といえます。
その点でお勧めできるのがラケット・スポーツ用の靴(バドミントン用やインドア・テニス用)、あるいはインドア用のフットサル・シューズです。

靴選びの際は靴底の反りが小さく、踵に過度な丸みが付けられていないフラットなもの、そして履いた感じが少し硬く感じられるものを選ぶと良いでしょう。
良い靴で良いトレーニングをしましょう。

