ピラティスの考察
昨今、ピラティスという体操が「インナーマッスルを鍛えて姿勢を良くする」「しなやかな身体になる」と宣伝されています。
一体どんなものでしょうか。
ピラティス経験の一切ないトレーニング専門職が、資料をもとに考察してみます。
ピラティスとは

ピラティスは今から百数十年前、ドイツ人のピラティスさんが考案したリハビリ体操です。
中でもスライド式の寝板を備えた改造ベッド上で行われる、マシン・ピラティスという筋トレ風の体操が主流となっています。
特徴的な改造ベッドの寝板の足側には負荷として、数本のバネが取り付けられているのが見える。
バネは負荷特性にクセがあり、また微調整が難しいことから一般的な筋トレには適しません。
だからこの器具を使っても「ムキムキにはなれない」のです。
「インナーマッスルを鍛えて姿勢を良くする」とは?

さて上の女性は、肘を伸ばしたまま紐を引いて背中と二の腕の体操をしています。
動く座面上で身体を安定させるためにはお腹回りの筋肉(かれらのいう”インナーマッスル”)の固定が意識される必要があり、それが良い姿勢づくりにもつながる。
これが「インナーマッスルを鍛えて姿勢を良くする」の理屈です。
でも、これなら柱に引っ掛けたゴムチューブを片手で掴み、片足立ちの状態で肘を伸ばしたまま引っ張る運動でも「インナーマッスル」は同等以上に鍛えられます。
「しなやかな身体」になる?

さて、こちらは寝板に片膝をつき、膝を後方に押し出していくストレッチ体操です。
太腿の付け根がぐーっと伸長され、反り腰やある種の腰痛を緩和する効果が期待できます。
もっとも、この体操にしても特別な道具なしに実施できます。
ためしに下の写真のように片膝立ちをし、腰を前に突き出すようにしながら、膝をついている側の足首を手で引き上げてみましょう。
太腿の付け根と前腿に、今までにない強いストレッチ感が得られるはずです。

そしてなんと、ピラティスには宙吊り系のアトラクションまであるようです。
肩甲骨を寄せて胸周りをストレッチさせているので、巻き肩の緩和に良さそうです。

ただ手が開いて指先でフックしており、落下事故が心配です。
彼女がジャーマン・スープレックスの受け身(顎を引いて万歳する)を知っていれば良いのですが。
ともあれ安全性を考えると、下のトレーニングに置き換えた方が良さそうです。

ピラティスを超えるトレーニングを
以上、動きの意図を読み解くなかで、ピラティスでなければ得られない特別なものは見当たりませんでした。
むしろヨンデーが提供しているプログラムの方がより効率的に”インナーマッスル(正しくはIntrinsic Core Stabilizer)”を強化し、かつ柔軟性を向上させて”しなやかな身体づくり”を実現できます。
さて、ピラティスのブームはこれから最盛期を迎えます。
ピラティスには、既存のジム・パーソナル業界が疎外と搾取を重ねてきた「運動を求める女性と高齢者」を一斉に救済する可能性があります。
女性・高齢者歓迎といいながら入会後は特別な配慮もなく、放置を決め込んできたフィットネスジム。
指導料に見合わぬお粗末な筋トレごっこしか提供できないパーソナルトレーナー。
それらに較べたら自分用のベッドが確保され、指示通りに手足を動かせばじんわりと汗のかけるピラティスに惹かれる人は多いはずです。
わが同業者たちも流行に遅れまいと一斉にベッドを置き始めましたが、ヨンデーはこれまでと変わらずパーソナル・トレーニングの新‐標準の模索を続けます。
ピラティスを超えるトレーニング体験をお求めの方は、無料カウンセリングをどうぞ。