ボディメイクの落とし穴(会員募集)


「背中の筋肉の中で菱形筋はPCSAが小さい筋肉ですが、そのうえで菱形筋を鍛える意義は何でしょうか。」

最近入会したばかりの男性会員から、こんなメールをもらいました。

あなたの周りに「トレーニングに詳しい人」がいるなら是非答えを訊いてみてほしい、面白い質問です。

なぜならこれほど、その人のトレーニング観を露呈させる問いはないからです。

部分から見るか、全体から見るか

メールを下さった男性は相応のトレーニング歴をお持ちで、いわゆる「ボディメイク」をやってこられた。

ボディメイクのトレーニングは、筋肉一つ一つの形態にフォーカスし、その集合体として全体像を描き出していく思考法をとります。

お尻の形を良くするにはこう、とか、丸々とした肩をつくるならこれ、といった部分の積み重ねで身体をつくっていく。

対してアスリート用のトレーニングは、優れた競技者であるにはどんな体力(筋力・持久力・柔軟性・体格などの一切)が必要である、という「在るべき全体像」が最初に提示され、そこに向けて身体をつくっていく手法を取ります。

つまり部分から見ていくのがボディメイクであり、全体から見ていくのがアスリート用のトレーニングだといえます。

言うまでもなく、どちらが上かという話ではなく、一長一短の問題です。

欠点のないトレーニングのために

ボディメイクの美点は、方法がシンプルで誰にでも成果が出しやすいところです。

「この筋肉を鍛えるにはこのやり方がいいですよ」というハウツーが充実しているので誰でも目に見える成果が得やすく、コンテストやSNSで身体を披露する楽しみもあります。

けれど「外見のためだけのトレーニング」である以上、特定の運動能力を下げてしまう可能性はある。

対してアスリート用トレーニングの長所は「生き物としての基本性能」を高められる点にあります。

疲労に強くなり、足が速くなり、怪我をしにくくなる、つまり運動能力が上がる。

ところがアスリート用トレーニングはボディメイクと違って、専門家の指導なしには習得が難しいのです。

専門家を探そうにも野球専門、サッカー専門という風に専門分化してしまっており、興味を持っても一般の人にはアクセスが難しい。

また指導内容も競技動作に偏重している傾向があり、基礎的なトレーニング技術については今ひとつ詰めが甘いように見えるのです。

つまり、ボディメイクだけでも、アスリート用だけでも、私たちが必要とする「見た目が良く、かつ動きやすい身体」をつくる手法としては完全性を欠くのです。

冒頭のメールの彼も、まさにここに陥っていました。

特定の筋肉だけを効率的に筋肥大させようとして、動作を安定させるための筋肉への視点がなかった。

筋力や柔軟性への意識がなく、正しいフォームで相応の負荷を扱う能力がなかった。

だから何年も熱心にジム通いをしたものの、初心者の域を脱するものになれなかった。

ボディメイクであれスポーツのためであれ、頑張っているのに変われずにいる人は、部分か全体か、どちらかの視点を決定的に欠いていることが多いのです。

だからヨンデーはアスリート用のトレーニング理論に、古典的ボディビル・テクニックをハイブリッドした、独創的なパーソナルトレーニングを行っています。

ボディメイクだけ、アスリート指導だけ、のジムにはない普遍的なトレーニングをお求めの方は、月が丘にいらしてください。

今なら平日夜に若干の余裕があります。