ジムができるまで②

真冬の秋田県の高校にて。暖房器具などという洒落た設備はない。

いつかはジムを持ちたいと思っていた。
長いこと、テナントを探していた。
契約手前まで行ったこともあるけれど、決めきれなかった。

なぜなら自分が何をしたいかが明確でなかったからだ。

テナントを借りて器具を並べればジムはできる。
問題はそこで何をしたいかだ。

ダイエットジムか。
高齢者用ジムか。
あるいはアスリート用ジムか。
けれどそんなジム、他にいくらでもある。

そうこうする間にフィットネスバブルが始まった。
気がつけば町中ジムだらけだ。

その只中に、出来合いのコンセプトに後乗りして小銭を稼ぐのも嫌だ。
長年トレーニングに没頭してきた者のプライドが邪魔をする。

かくして最初の一文に戻る。
いつかはジムを持ちたいなあ、と。

その「いつか」が、コロナ禍によって明確に示された。
自分がいま何をすべきかが、はっきりと像を結んだ。